小関智弘著『働きながら書く人の文章教室』からの引用である。

「もしもあなたに、文学に対する執念があるのなら、どんなに笑われても、無視されても、あなたは書き続けることでしょう。そしてもう俺には何も書くことはないし、書いても書いても無駄なんだと思うほどに書き続けたあとに、それでも書きたいという欲求があなたの内側に残るようなら、それがあなたの小説家としての才能なのではないでしょうか。」……なんて書いて、ちょっとキザッぽかったかと、それは破り捨てた。

なるほど確かに「キザッぽい」文章である。おいしいことを語っているように見えて、単に表面上をなでているだけの文章に過ぎないのであるが、それでも文章の中には自分を激励するような要素があるかのように感じる。私には昔、一時期プログラミングを捨てた頃があったが、そんな中でも、最終的にはこのように戻ってこれたわけである。そんな自分がオーバーラップされて、(自分には才能があると自負しているわけではないが)何か才能に似た、運命信仰の対象となるようなものが自分の中にはあるのではないかという気にさえさせられた。