社会ネットワーク分析の用語について

安田雪著『実践ネットワーク分析』(2001)を読みました。Evernote にメモした用語だけブログにまとめます。

ソシオマトリクス
人間をノード,紐帯をエッジと見立てたネットワークの隣接行列
ブロック・モデル
サブネットワークを一つのノードにまとめたようなモデル.社会ネットワークを俯瞰的に把握するために使われる.

  • イメージ行列:行列を要素に持つ行列.コミュニティのネットワークなど
  • 縮約:ノードをまとめること.

非対称データ
ソシオ・マトリクスが対称行列にならないようなデータ(注:Twitterのフォロー関係は非対称データ,mixiのマイミク関係は対象データ).研究内容によっては,適宜対称化を行う必要がある.

  • 対称化:有向グラフを無向グラフに写像する操作.「双方向のもの以外はエッジとして認めない」「片方向のものもエッジとして認める」「平均値を取る」などのポリシーが存在する.

弱い紐帯
接触頻度・接触期間・連鎖の長さなどから,ネットワークにおいて関係が薄いと判断されるような人間関係のこと.グラノベッターによる論文「弱い紐帯の力」「転職」によって,人間は転職などの意思決定において,強い紐帯よりも弱い紐帯による情報を信頼して行動するとされる.
中心性
権力や構成人物との関わりの多さなど,その人物がネットワークにおいてどの程度中心的な役割を担っているかという指標.測地線に基づく「ボーチャムの近接性」や,固有ベクトルに基づく「ボナチッチ中心性」など.
媒介性
その人が,ネットワークにおいて,どの程度の関係を媒介しているかという指標.「すべてのノードのペアにおいて,その人を通る測地線の数」などの計算方法がある
測地線
グラフ上で,二つのノードを結ぶ最短経路.
構造同値
社会ネットワークにおいて,ラベルを付け替えても変化しないような人間同士の間に成立する関係(注:顧客に対するサービス・プロバイダーの集合など).構造同値な関係下にある人間は,社会においてアイデンティティを獲得しようとするため,競争が発生するとされる.

  • 三者戦略:競争が起こっている二社間に介入し,利益を得る戦略.