「ボタン一つで」

常日ごろ利用されてるような物は、「ボタン一つで」がすでに定番になっている。自動販売機はコインを入れた後「ボタン一つで」商品が買えるし、今この日記を見ている者が操作しているキーボードだって、「ボタン一つで」メールができるものも少なくない。
そんなわけで我々の身の回りには、十分な意味を持ったボタンが数多く存在しているのであるが、私はその山の中でこんなボタンに着目してみた。「人間関係破壊ボタン」。
人間関係破壊ボタンは、名前こそ大げさではあるものの、実際はそんな大そうなものでもない(だからこそ綿密な意味が込められているのであるが)。そういう意図があって作られたものではなく、ありふれた日常に姿をくらましているのである。
携帯電話を例に取ってみよう。まず電話の切断ボタンがこれに相当する。「ボタン一つで」人の印象を劣悪にすることができる。メールの送信ボタンもある意味該当する。もっとも、これはそれ以前に文字を打っておく必要があるのだが。カメラのシャッターも該当する。これは言うまでもない。
電子の世界に我々が身をおいている、というよりは電子の世界が我々を侵食してきている現代であるから、このようなボタンがいつの間にか産まれていたのだ。