避難訓練

一応高専生の身分なので、当然避難訓練というものが行われる。それが今日であった。ただ、それが「避難」でも「訓練」でもないことは、第三者が見ても明らかなものであったと感じている。
私の通う高専避難訓練は、非常ベルが鳴ってから15分ほど教室で待機である。現場でそんなことをしたら焼け死ぬという発想はもとより、この15分間、きっと教官方はすでに校庭にいて、あるものは消防署の方を出迎え、あるものは校長スピーチ用のマイクセッティングを行い、またあるものは満足げに避難訓練論でも語っているのだろうという、たくさんのあらぬ想像が頭の中を渦巻いていた。大きくになるにつれて大人との年齢も近くなり、彼らは僕たちに舞台裏を見せることを恥じなくなってきているのだと、少し時間の矢を感じた一日であった。